Chamo導入でWEB訪問者が2.5倍

18歳以下を対象にした相談窓口「チャイルドライン」を運営するNPO法人「チャイルドライン支援センター」は、電話相談をメインに相談を受けてきましたが、数年前からチャットツール「Chamo(チャモ)」を活用して、チャットでも相談を受け付けています。

同法人理事の高橋弘恵さんに、活用方法と効果についてお話を伺いました。

課題

  • SNS利用などによる子どもの電話離れ
  • 子どもの相談窓口の選択肢を増やす

解決策

  • 個別に即時対応が可能な有人チャットを活用

効果

  • 電話が苦手な子どもからの相談にチャットで対応可能に
  • 親がいる自宅からも、気軽に相談が可能に
  • 発語が難しい障害を持つ子どもへの対応が可能に

子どもの電話相談窓口・チャイルドライン

―貴社の事業内容について教えてください。
チャイルドラインでは、18歳までの子どものための電話相談を受け付けています。問題の解決だけを目的とせず、子どもの「気持ち」を聴くことを大切にし、子どもたちにとってホッとできる「こころの居場所」となるよう活動をしています。

SNS利用などによる子どもの電話離れを懸念しチャットツールを導入

―導入前に感じていた課題を教えてください。
SNS利用の浸透により子どもの電話離れが叫ばれている昨今、相談窓口として電話以外の手段を考えたほうがいいというのが課題でした。ただ、メールではどうしてもタイムラグが発生します。

―Chamoを導入したきっかけを教えてください。
チャイルドラインのモデルとなるイギリスのチャイルドラインでは既にチャット相談を実施していたので、それに倣う形で導入しました。

―他社さんと比較・検討はしましたか?
いろいろなチャットツールを検討しているところで、前・Chamo社により社会貢献活動の一貫として提供いただけるという話がありました。導入時の担当には、対応が親切でとてもよかったと聞いています。

―現在では、全加盟団体にてChamoを活用されていますか?
17団体においてパソコン10台ずつほどで同時対応ができるように設置しています。利用人数にすると、一日平均で160名ほど。受付対応者でいうと、電話のほうが現状は多く、電話受付の経験を積んだ受け手がチャット受付をするという段階を踏んでいます。チャットの場合は、子どもたちに理解してもらえるように電話以上に丁寧な言葉を選ぶ必要があるので。会話の中だと理解されるようなことも、文章だとそうはいかないことがあります。丁寧なチャット対応は電話でも生かせるので、コミュニケーションの向上になり、導入してよかったと感じています。

相談側の子どもたちは、電話とチャットを上手に使い分けている

―電話相談とチャット相談では、どちらの件数が多いですか?
電話受付は20年の歴史があるので、「チャイルドライン=電話」というイメージがあります。ただ最近は、子どもに配るカードにQRコードを入れるなどしてチャット相談の案内を積極的にしており、チャットでの流入が徐々に増えてきた印象です。2018年にはサイト訪問件数が2万5千件ほどでしたが、2019年には6万件になるなど、確実に増加しています。

―電話とチャットで、相談内容自体に違いはありますか?
電話だと男の子からが多く、チャットは女の子からが多い印象です。電話相談をしてくる子どもの中には、誰かの声を聞いて落ち着きたいという要望も含まれているように思います。
内容の違いとしては、チャットのほうが深刻な相談が多いように感じます。電話だと、話し相手を求めているような雑談も多くありますが、チャットですとあらかじめ子どもも丁寧に文章を作って相談に臨んでいるのがわかりますね。

―子どもからのチャットの評判はいかがですか?
もっと対応数を増やしてほしい、といった声もあり反応はよいかと。返答のタイピングに時間がかかってしまうこともあるため「打つのが遅い」という要望もあるほどに、子どもとの会話のキャッチボールができていると思います。
また、聾学校で使い方のレクチャーを行った団体もありました。発語が難しい障害を持つ子どもへの対応が可能になり、より多くの子どものサポートができるようになりました。

―プライバシーの遵守について、子どもが不安がることはないでしょうか。
チャットだからといって、特に不安がられることはありません。信頼して使っていただけています。

―受け手の方たちからの評判はいかがですか?
電話の場合は、話がうまく繋がらないと切られてしまうケースもありますが、チャットにおいてはそのようなことがなく、話がひと段落するまで続けられるのがよい、と声があります。
また、受け手の年齢層が高くなってくるとパソコンに対して苦手意識があるという意見も聞かれますが、慣れると問題なく利用できるようになります。文字を打ち込む画面がもう少し大きいといいという声は聞かれます。

―今後チャットのコミュニケーションをどのように活用されますか?
チャット受付を実施する団体をもっと増やしていきたいです。今後はより電話の割合が減り、チャットの割合が高くなっていくのではと思います。

チャットが今の時代に即した相談受付ツールに

―コロナ渦での問い合わせの増減について詳しくお聞かせください。
コロナ渦で電話受付の体制を縮小せざるを得なかったのですが、その分チャット受付で対応できたのがよかったです。パソコンだと「密」な状態を作らずに対応できるという利点がありました。
また、初めての訪問者が増えました。コロナ渦の不安を書き込むことですっきりした子どもが多かったようです。「なんとなく誰かとやりとりしたい」という気持ちを汲み取るのにもチャットは有効。オンライン学習も浸透し、電話よりもチャットへ向かうほうがハードルが低いということもあるのではないでしょうか。

―最後に、メッセージをお願いします。
今後はコミュニケーションツールの一つとして、チャットがより浸透すると思います。例えば電話が苦手な子どもにとっては、チャットのほうが使いやすい場合もあります。チャイルドラインでは、一人ひとりの子どもの得意不得意やそのときの状況に合わせてチャットと電話を使い分けてもらうことで、より気軽に相談できる環境を作っていけたらと思います。

お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。


特定非営利活動法人チャイルドライン支援センター
事業概要:18歳までの子どもを対象に、電話・チャットにて相談受付を実施。全国にある支社の取りまとめを行っている
会社規模:100~300
所在地: 東京都新宿区天神町14 神楽坂藤井ビル5階
設立:1999年
https://childline.or.jp/
(一言紹介)
子どもの声を聴き、こころを受けとめる活動を中心として行う認定NPO団体。この活動は、皆様からの支援やボランティアに支えられており、子どもたちの現状を社会へ発信し、子ども達をとりまく環境の整備を働きかける行動もしています。チャイルドラインは子どもの権利条約に基づく子ども観のもと、子どもの生きやすい社会を目指しています。